チャンプは実在する?シャンプレーン湖の目撃談と1977年の写真の謎

チャンプは実在するのイラスト 海外のUMA

湖面から長い首が伸び、その後ろに大きな背中が浮かぶ。

北米のシャンプレーン湖で語られるチャンプは、そんな首長の姿で知られるUMAです。

ところが、古い記録には銀色の鱗を持つ大蛇も登場し、いつも同じ姿だったわけではありません。

とりわけ多くの人の想像を引き寄せたのが、1977年に撮られた一枚の写真でした。

チャンプの実在は確認されておらず、有名な写真も未知動物を確定する証拠にはなっていません。

それでも、誰が、どこで何を見たのかを追うと、単なる「北米版ネッシー」では収まらない歴史が見えてきます。

昔の湖の大蛇から、写真の中の首のようなものまで、手掛かりを順に見ていきましょう。

チャンプとは?シャンプレーン湖で変わり続けた怪物の姿

湖面から長い首を出すチャンプのイラスト

長い首の姿だけがチャンプではない

地元の科学教育施設ECHOは、チャンプを紹介する展示で、銀の鱗を持つ大蛇から、ひれのある首長竜のような姿まで、時代や語り手による違いを取り上げています。

こうした変化は、チャンプを調べるうえで重要です。

最初に一つの絵を見てしまうと、その後に読む話も、全部その姿の動物だったように感じてしまうからです。

出典:ECHO「Champ: America’s Lake Monster」

首長の動物、大きな蛇、正体の分からない水面の物体。

それぞれが同じものだったのか、それとも湖の不思議な体験が、一つの名前で語られるようになったのか。

そこがチャンプの面白い入り口です。

探検家シャンプランが最初に見た、という話の落とし穴

湖の名前に結び付くサミュエル・ド・シャンプランを、チャンプの最初の欧州人目撃者として紹介する話があります。

しかし地元観光サイトは、この帰属は誤りで、該当する記述の場所はセントローレンス川付近だと説明しています。

有名な人物の古い記録があることと、それがこの湖のUMAを記録したことは別です。

Lake Champlain Regionの歴史解説

チャンプの物語を古く見せるために、違う場所の記述を足す必要はありません。

19世紀以降の報告だけでも、十分に風変わりな姿が現れます。

チャンプの目撃例——1819年の巨大な影からマンシの写真へ

湖を横切って泳ぐチャンプのイラスト

1819年、全長約57メートルとされた怪物

地元観光サイトが紹介する1819年7月24日付の新聞記事では、クラム船長がブルワガ湾で黒い怪物を見たと報告しています。

その長さは187フィート、約57メートルだったとされます。

これは測定値ではなく、目撃者が語った大きさです。

現代の首長竜風の絵だけを知っていると、あまりの規模の違いに驚かされます。

1873年、保安官が語った水の大蛇

同じ歴史解説には、1873年7月、ネイサン・H・ムーニー保安官が大きな蛇のようなものを見たという報告もあります。

こちらの推定は25〜35フィート、約8〜11メートルでした。

古い報道の紹介:Lake Champlain Regionの目撃史

数字の差を平均して「チャンプは何メートル」と決めるより、別々の目撃として残したほうが、何が語られたのかを正確にたどれます。

新聞に載ったこと自体は、その長さを第三者が測ったことを意味しません。

1977年7月5日、湖畔で撮られた一枚

サンドラ・マンシが写真を撮ったとされるのは、1977年7月5日の午後です。

場所はバーモント州セントオールバンズからカナダ国境の間の湖畔とされ、彼女は水辺で膝をついて撮影したと紹介されています。

写真がニューヨーク・タイムズで広く公表されたのは、1981年6月30日でした。

撮影と大きな報道の間には、約4年あります。

来歴の調査:ロバート・E・バーソロミューによるマンシ写真の検証

古い目撃談に一枚の写真が加わると、「そんな話がある」という段階から「これは何が写っているのか」という問いへ変わります。

チャンプを調べると、この写真が繰り返し登場するのも、そのためでしょう。

1977年の写真は本物?原版と撮影地点が重要になる理由

霧の湖で首を持ち上げるチャンプのイラスト

写真は、掲載元を確認して見る

マンシ写真は、上記の検証記事に掲載されています。

この記事では転載権を確認できていないため、掲載元へ案内します。

マンシ写真と来歴の検証記事を開く

ここで紹介している挿絵は、その写真の複製ではありません。

首や体の細部を描き足したイラストを、1977年に写った形の説明に使うと、写真にない情報まで証拠に見えてしまいます。

なぜ、撮影した場所が分からないと困るのか

2013年の検証記事は、ネガが残っておらず、撮影地点も調査のために確定できなかったことを、写真の評価を難しくする問題として挙げています。

同記事で紹介されるラドフォードらの現地実験では、写った物体は流木や切り株で説明できる可能性が示されています。

写真を検証する際に不足している情報を読む

これは、単に写真が不鮮明かどうかの問題ではありません。

岸の同じ位置に立てれば、対岸との関係や水深などを調べ、物体がどのくらい遠くにあったかを絞れる可能性があります。

距離が違えば、同じ大きさに写る物体の実寸も変わります。

「加工されていない」と「怪物が写っている」は同じではない

仮に一枚の写真が加工されていなくても、そこに写った対象が未知動物とは限りません。

逆に、撮影地点が未確定だからといって、それだけで撮影者の捏造と断定することもできません。

マンシ写真は、実物の正体を確定できた写真ではなく、来歴と解釈の両方に検討すべき点が残る資料です。

流木説は写真の一つの説明であり、湖で報告された出来事を全部まとめて流木にする説ではありません。

チャンプの正体は大型魚?湖の実在動物と残る謎

明るい湖で振り返るチャンプのイラスト

湖には、実際に大きくなる魚もいる

ニューヨーク州環境保全局は、レイクスタージョンというチョウザメの仲間を、同州最大の淡水魚として紹介しています。

通常の成魚でも3〜5フィートほどになり、まれに7フィートを超える個体もいるとされ、シャンプレーン湖も確認水域に含まれます。

体には骨質の板が並び、産卵期には水面から跳ぶこともあります。

出典:ニューヨーク州環境保全局のレイクスタージョン解説

こうした大型魚が水面に現れれば、見慣れない人に強い印象を与える可能性はあります。

ただし、それは大型魚が湖にいるという生態情報からの考察であり、特定のチャンプ目撃をチョウザメだと同定した結果ではありません。

長い首や、57メートルとされた大きさまで、そのまま説明できるわけでもありません。

地元では「どんな姿だと思う?」も展示になっている

ECHOのチャンプ展示には、歴史や科学を学ぶだけでなく、自分が想像する姿を描く体験も用意されています。

目撃談の姿が変わってきたことを、来館者自身の想像とも結び付ける展示です。

ECHOの展示写真と内容を見る

決められた怪物の絵を覚えるより、なぜ自分はその姿を思い浮かべたのかと考えるほうが、湖を見る楽しみが増すかもしれません。

結論:一枚の写真では実在を確定できず、目撃ごとに正体を考える必要がある

チャンプの実在を確認できる証拠は、今回調べた資料にはありませんでした。

1977年のマンシ写真には流木説があり、大型魚の存在も目撃を考える手掛かりになりますが、両者を混ぜて一つの答えにはできません。

写真の正体、昔の大蛇の報告、湖に残る怪物のイメージは、互いに関係しながらも別々の問いです。

その区別を残して湖を想像すると、水面に現れる一つの影を、人がどれほど多様に語ってきたのかが見えてきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました