アメリカとカナダの国境沿いに広がる五大湖の一角、レイク・エリー。
そこで目撃される謎の巨大生物が“ベッシー”と呼ばれ、UMA(未確認生物)ファンを中心に注目を集めています。
本記事では、ベッシーの由来や目撃証言、さらには衝撃的と噂される衝突事故の真相までを追いかけ、その正体に迫ってみましょう。
【UMA】ベッシーとは何か?
名称の由来と基本情報
ベッシーという愛称は、レイク・エリー周辺で古くから語られてきた“湖の怪物”伝承が、メディアや観光の場で浸透する中で定着したものと考えられています。
一説には、牛(英語の“Bessie”)にあやかって名付けられたジョークが広がったともいわれますが、実際には定説がはっきりしません。
いずれにせよ、レイク・エリーで目撃される“謎の長い生き物”を総称して、地元住民やUMAファンはベッシーと呼んでいます。
なぜ未確認生物として注目されるのか
レイク・エリーは五大湖の中でも比較的浅い湖ですが、面積は約2万5,700平方キロメートルと非常に広大です。
湖底の一部は深度が90メートルを超えるエリアもあり、観光客が多い割に人の目が行き届かない場所も少なくありません。
こうした地形的な特徴から「大型の未知生物が棲息していても不思議ではない」との見方が昔から根強く、ベッシーの存在を後押ししてきたのです。
ベッシーの主な目撃証言
歴史的な報告と先住民の伝承
レイク・エリー周辺の先住民が古くから語り継いできた、“水の怪物”の話はベッシー伝説の起源だと考えられています。
19世紀に入ると、開拓者や漁師らが「波間に長い体の生き物を見た」と証言する記事が地元新聞に載るようになり、少しずつ噂が形作られていきました。
これらの報道によれば、当時は“巨大なヘビ”または“細長い魚”のようだったとされ、“湖の怪物”として一部住民の恐怖の的にもなっていたようです。
近年の目撃エピソード
20世紀以降になると、観光客や地元民が撮影した写真や動画がときどき話題になります。
レイク・エリーの岸から見える「長い背びれらしきもの」「水面をうねる黒い塊」などがSNSやニュースを通じて拡散され、UMAファンの興味をかき立ててきました。
ただし、遠距離かつ画質が悪いケースが多く、結局「波や流木を見間違えたのではないか」「大型魚や水鳥に過ぎない」といった懐疑的な声が後を絶ちません。
ベッシーとネッシーの違いとは?
レイク・エリーとネス湖の地理的・環境的相違
よく比較されるスコットランド・ネス湖の怪物“ネッシー”は、深さ200メートル超の狭長な湖であり、周囲に山が迫る地形が特徴です。
一方、ベッシーが目撃されるレイク・エリーは、面積は広いものの最深部は約60〜90メートル程度と浅く、環境や水質もかなり異なります。
ネス湖には海や他の水域から直接大きな魚が移動しづらいのに対し、五大湖は互いに水路で連結しているため、多様な魚種が生息可能なのも大きな相違点です。
目撃証言・調査の手法に関する差異
ネッシーの場合、ソナーによる大規模探査や観光客向けの専門ツアー、メディアの歴史的報道などが重なり、世界的な知名度を獲得しました。
ベッシーの場合は、観光活用こそ行われているものの、調査体制がネッシーほど組織的ではない印象です。
また、地元新聞やSNSでバラバラに報告が上がる形が多く、一斉に世界中の注目を集めるケースはまだ少ないといえます。
しかし、近年はソーシャルメディアの普及によって、目撃情報が瞬く間に広がる環境が整いつつあるため、今後の動向によってはネッシーに勝るとも劣らない熱狂が起こり得るかもしれません。
衝突事故の真相に迫る
実際に起きた衝突事故の概要
ベッシー関連の噂でも、とりわけセンセーショナルに語られるのが「船舶や水上バイクがベッシーと衝突した」というエピソードです。
時期や場所の詳細は諸説あり、メディアによって報道内容が異なるため、事実関係を正確に突き止めるのは難しい状況です。
一部のタブロイド紙では「レジャーボートが巨大生物と激突し、船体に謎の傷がついた」と報じられた例があるものの、その後の公式調査や当事者の証言が明確に出てこないまま終わったケースもあります。
ベッシーが関係していたのか
衝突事故が起きたとされる場所を調べてみると、潮流や風向きによって流木やゴミが大量に集まるゾーンだった、という指摘があります。
つまり、大型の流木や水中の障害物にぶつかった船舶が「ベッシーと衝突した」と思い込んだ可能性も十分に考えられるわけです。
さらに、五大湖は多くの大型魚(チョウザメやマスキー、ガーなど)が回遊するため、夜間や視界の悪い状態で誤って衝突すれば、“何か巨大なものに当たった”と錯覚するのも不思議ではありません。
ベッシーの正体をめぐる諸説
巨大魚説・他生物との誤認可能性
五大湖周辺には多様な淡水生物が棲息し、チョウザメなどは体長2メートルを超える個体も確認されています。
水面に背びれやヒレが出るだけでも“怪物らしい”姿に見えてしまうことがあるため、UMA研究家の多くは「ベッシーの正体は既知の大型魚」と推測しています。
また、アメリカアリゲーターガーなどの淡水魚は異形の顔つきで知られ、見慣れない人が目撃すると“ドラゴンのような生物”に映ることもあります。
首長竜など古代生物の生き残り説
一方で、UMAファンの間では“首長竜の生き残り”や“未確認の古代生物”説も根強い人気を保っています。
レイク・エリーの面積・地形を考えれば、ネッシー同様に“数万年前の生き残り”が潜んでいても不思議はない――というロマンは、科学的には根拠が薄くとも人々の想像力をかき立てて止みません。
最新の調査と研究について調べてみた
ソナー探査・環境DNA調査の取り組み
近年、ベッシーの存在を本気で確かめようとする動きがいくつか見られます。
地元大学の研究グループやボランティア団体がソナーを使った湖底探査を実施したり、水のサンプルから環境DNAを採取し、“未知の大型生物”の痕跡を探す試みも行われています。
ただし、調査規模が大きいほど費用もかさむため、断続的な取り組みに留まるケースが多く、今のところ決定的な証拠は発見されていません。
ベッシー観光・文化への影響
ベッシーは地元の観光にとって魅力的な存在でもあります。
湖の怪物ウォッチング・ツアーやキャラクターグッズ販売、夏のイベントなど、町おこしの一環として積極的にベッシーを活用する地域も存在します。
また、ベッシーをモチーフにしたイラストやマスコットキャラが作られるなど、ネッシーと同様に“都市伝説+観光資源”として定着しつつあるのが現状です。
まとめ:ベッシーがもたらすUMA研究の可能性
湖の怪物伝説が示すロマンと課題
レイク・エリーのベッシーは、ネッシーやオゴポゴなど世界の“湖の怪物”と同様、ロマンと観光・文化面での大きな可能性を秘めています。
一方で、浅い湖という地形特性や頻繁な人の出入りを考慮すると、未確認の巨大生物が長期間見つからないまま棲息するのは難しいという意見も根強いです。
科学的には決定的な証拠がないまま、噂や目撃証言が先行してしまうのがUMA研究の大きな課題と言えるでしょう。
衝突事故の真偽から考える今後の展望
衝突事故の真相が“ベッシーによるもの”かどうかは、今も判然としません。
大型の流木や魚との接触だった可能性を捨てきれない以上、“未確認生物との激突”はロマンあふれる仮説に留まっているのです。
とはいえ、今後ソナー探査や環境DNAの分析技術が進めば、ベッシーの正体やその存在の有無が明らかにされる日が来るかもしれません。
未知を追いかける探究心が絶えない限り、ベッシーはこれからも多くの人を魅了するUMAとして語り継がれ続けるでしょう。
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