カタンガの巨大ヘビは実在した?15m説と1959年の写真・目撃証言を追う

アフリカの草地を進む巨大なヘビの挿絵 海外のUMA

地上に見えたのは、緑がかった茶色の巨大なヘビ。

ヘリコプターが近づくと、前半身を高く持ち上げたといいます。

その長さは約15メートルと推定され、「カタンガの巨大ヘビ」と呼ばれる目撃談になりました。

結論を先にいうと、目撃者本人の証言と写真の紹介は確認できますが、15メートルのヘビが実在したと確定できる実測記録は確認できません。

ただ、この話には、単なる「大蛇がいた」という噂では終わらない具体的な観察が残っています。

カタンガの巨大ヘビとは?空から見つかった15mの大蛇

草地の穴へ向かう太い大蛇の挿絵

舞台は1959年のコンゴ

目撃者はベルギーのパイロット、レミー・ヴァン・リールデです。

科学メディアIFLScienceの紹介によると、1959年、当時ベルギー統治下にあったコンゴのカタンガで、ヘリコプターから異様に大きなヘビを見たとされています。

カタンガは現在のコンゴ民主共和国にある地域です。

このUMAの中心にあるのは、古代からの固有名を持つ怪物の伝承ではなく、場所と目撃者が結びついた一件の遭遇談です。

「コンゴの巨大ヘビ」「ヴァン・リールデのヘビ」という呼び方も、同じ事件を指して使われます。

名前の違いを、別々の大蛇が何度も見つかった証拠として数えることはできません。

大きな頭と、淡い色の腹

目撃者が語ったのは、緑褐色の体、白っぽい腹、幅のある三角形の頭でした。

角や翼のある竜ではなく、ヘビの姿をした動物の大きさが、常識から外れていたという話です。

IFLScienceは、本人が1980年の英国番組『Arthur C. Clarke’s Mysterious World』で証言したことを紹介しています。

1959年は遭遇したとされる年で、1980年は後年の証言が番組で紹介された年です。

IFLScience:カタンガの巨大ヘビと目撃者の証言

本人は何を見たのか|番組の証言と写真をたどる

草原で前半身を高く持ち上げた巨大ヘビの挿絵

撮影のために何度も上空を通過した

番組の公開動画では、7分38秒ごろからコンゴの話に切り替わります。

本人は、機内にカメラがあり、同乗者に撮影してもらうため、4〜6回ほど上空を通過したと説明しています。

飛行経験をもとに見積もった長さは、50フィート近く、約15.2メートル。

ヘビのそばに降りて巻き尺を当てた数字ではなく、空から見た大きさの推定でした。

約3メートル持ち上がったという前半身

本人の説明では、ヘビは穴へ入ろうと動いていました。

機体を地上約25〜30フィートまで下げると、ヘビが約10フィート、約3メートルほど体を起こしたといいます。

「届く距離なら襲ってきただろう」という本人の判断と、「ヘリに噛みついた」という出来事は別です。

この証言を、機体が実際に攻撃を受けた記録へ膨らませることはできません。

写真は見られる?映像のどこを見ればよい?

番組には、地上のヘビを上から捉えた写真が紹介されます。

9分26秒ごろには、地面の特徴をもとに少なくとも40フィート、約12メートルとみる説明もあります。

これは本人が述べた50フィートと同じ数字ではありません。

「目撃者の見積もり」と「番組の写真についての説明」を分けると、巨大さを支える根拠がどこにあるのか見えてきます。

番組の公開動画:コンゴの巨大ヘビの紹介へ(7分38秒〜)

写真について説明する場面へ(9分26秒〜)

リンク先は第三者チャンネルで公開されている英語の番組映像です。

1959年の現場を連続撮影した動画ではなく、後年のインタビューと写真の紹介として見る資料です。

また、上で紹介したIFLScience記事の冒頭にある、ヘリと大蛇を組み合わせた画像は、同媒体が加工したイメージ画像と明記されています。

迫力のあるカラー画像を、1959年に撮られた写真と取り違えないようにしましょう。

正体はアフリカニシキヘビ?写真から分かることの限界

太い胴体と幅広い頭を持つニシキヘビ型の大蛇の挿絵

実在する大型のヘビが候補になる理由

正体候補としてIFLScienceが挙げるのは、アフリカニシキヘビです。

アフリカには実際に大型のニシキヘビが生息しており、未知の種類を持ち出さなくても、太く長いヘビとの遭遇そのものは説明できます。

アフリカ・スネークバイト・インスティテュートは、Python sebaeの最大の長さを約6.5メートルと紹介しています。

同ページには、コンゴ民主共和国で撮影された個体の写真も掲載されています。

ただし、「その地域に大型のヘビがいる」ことと、「目撃された個体が15メートルあった」ことは、別々に確かめる必要があります。

既知種説を採る場合にも、長さがなぜそれほど大きく見積もられたのかが残る疑問です。

African Snakebite Institute:アフリカニシキヘビの解説・実個体の写真

写真の「大きく見える」を実寸へ変えるには

写真にヘビが写っていても、周囲の草木の実際の高さが分からなければ、体長を正確に割り出すのは難しくなります。

ここは写真の真偽だけでなく、縮尺を確定できるかという問題でもあります。

今回確認した番組では、写真を評価する説明は聞けますが、その計算過程を追える鑑定報告書までは確認できませんでした。

したがって、番組の評価を、そのまま独立した実測や学術的な認定として扱っていません。

結論:遭遇談はたどれるが、15mの実在は未確認

カタンガの巨大ヘビは、本人の証言と紹介写真が残るUMAですが、正体と実際の体長は確定していません。

アフリカニシキヘビは検討できる候補であり、それと断定できる標本や実測値が示されたわけではありません。

この事件のおもしろさは、写真があることで謎が終わらず、「何が写っているのか」と「どれほど大きいのか」が別の問いとして残るところです。

まずは本人の話し方と写真を見比べると、短い怪物紹介だけでは気づかなかった疑問が浮かんできます。

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