アゴグウェの正体は?森を歩いた小さな獣人と、畑仕事をする不思議な伝承

森の開けた場所を二本脚で歩く小さなアゴグウェの想像図 海外のUMA

赤褐色の毛をまとった、小さな人のような生き物。

東アフリカのアゴグウェは、大人ほどの巨体ではなく、約1.2メートルと報告された獣人です。

その話には、森を横切る二匹だけでなく、食べ物を受け取ると畑の手入れをする存在も登場します。

目撃談と、お礼をする小さな住人の物語が、同じ名前の周囲に集まっているのです。

正体は分かっているのでしょうか。

確認した資料では、アゴグウェの正体は未特定であり、未知の霊長類として確認されたわけではありません。

ただし「毛深い小人がいたらしい」で済ませるには、興味深い記録が残っています。

アゴグウェとは?赤褐色の毛と、夜に畑を手伝う伝承

畑の縁に置かれたひょうたんと器を見るアゴグウェの挿絵

人のように歩く、小さな毛深い存在

広く紹介される記録の一つが、ウィリアム・ヒチェンズによる1937年の「African Mystery Beasts」です。

この記事の再録には、褐色の毛を持つ二匹が、直立して歩いたという説明があります。

巨大なゴリラのような怪物を想像すると、原文の印象とは違ってきます。

小柄さと、人に似た歩き方が、目撃者を驚かせた特徴だったのです。

食べ物を置けば、お礼に草を取ってくれる?

ヒチェンズが村で聞いたという話では、畑に食べ物と酒の入ったひょうたんを置くと、アゴグウェがそれを受け取ります。

そして夜のうちに畑を耕したり、草を取ったりしてお礼をするというのです。

人を追い回す怪物の話とは、ずいぶん違います。

見えない隣人と、食べ物を介して関わる物語として読むと、その不思議さが伝わってきます。

ただし、著者自身が畑仕事を見たとは書いていません。

ヒチェンズも、自分が見た小さな生き物と、村で聞いた物語を区別していました。

ヒチェンズは何を見た?ライオンを待っていた森の空き地

森の茂みへ歩いて消える二匹のアゴグウェの想像図

目当てのライオンではなく、二匹の小さな姿が現れた

1937年の記述では、舞台はウェンバレ平原の西側にある森の地域です。

ヒチェンズは人食いライオンの狩りで、森の開けた場所に待機していたといいます。

そこで、二匹の小さな毛深い生き物が森から現れ、空き地を横切り、向こうの茂みへ消えました。

同行した狩人は、それをアゴグウェと呼び、めったに見ない存在だと説明したとされています。

ヒチェンズはその後、見つけようとしたものの成功しませんでした。

観察の後に実物を捕まえた、という結末ではありません。

ヒチェンズの1937年記事の再録(The Little Furry Men)

1937年に発表されたから、1937年の事件とは限らない

この記述で著者は、出来事を何年か前のこととして振り返っています。

1937年は掲載年であり、そのまま目撃日として使えません。

また、人類学者グレゴリー・フォースの研究では、ヒチェンズの1928年の記事にも短い言及があるとされています。

そこでの綴りはngogweです。

同じ報告が違う年の資料に出てきても、別々の目撃が増えたとは限りません。

この話では、体験の数と、それを紹介した文章の数を分ける必要があります。

当時の写真はあるのか

今回確認した1937年の再録と人類学の検討からは、ヒチェンズが見た二匹を撮影したと確認できる写真は見つかりませんでした。

後世の獣人画を、森で撮られた目撃写真として扱うことはできません。

だからといって、記録そのものが何も語らないわけではありません。

二匹、赤褐色の毛、直立歩行、空き地を横切ったという具体的な観察の要点は残っています。

正体はサルなのか?名前と姿をめぐる研究の視点

草木の間に立つ赤褐色の毛のアゴグウェの想像図

ヒチェンズ自身も、サルの可能性を考えていた

ヒチェンズは、サルだったかもしれないと述べながら、自分が知る普通のサル類とは違うと考えました。

目撃者が既知の動物と区別しようとしたことは、この報告を読むうえで重要です。

ただ、外見の印象だけで、新しい種に分類することはできません。

見慣れたものではなかったという証言と、未知種の確認は同じではありません。

人類学では「その名前が何を指すか」も調べる

フォースの研究の一部は、マーティン・ウォルシュのブログで許可を得て再録されています。

そこではアゴグウェという呼び名の言語的な由来や、現地の伝承との対応にも不明点があると検討されています。

日本語で「毛深い小人」と呼んでしまえば簡単です。

しかし、現地で同じ名前が動物、人に似た存在、伝承上の何かのどれを意味したのかは、それだけでは決まりません。

この視点は、目撃を否定するためのものではありません。

語り手が何を伝えたのかを、別の言語の怪物像で上書きしないための手掛かりになります。

人類学的な検討:Gregory Forthの著書抜粋とMartin Walshの紹介

結論:正体は未特定、目撃と畑仕事の物語は分けて残したい

アゴグウェは、目撃記述と伝承が残る一方、今回の資料では正体を同定できない存在です。

小さな生き物を見たという報告は、夜に畑を手伝う能力が確認されたという話ではありません。

それでも、森に消えた二匹と、夜に仕事をしてくれる隣人を並べてみると、このUMAの独特な魅力が見えてきます。

怖いだけではなく、どこか会ってみたくなる。

それが、巨大な獣人とは少し違うアゴグウェの面白さです。

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