マハンバの正体は巨大ワニ?コンゴの15メートル説と蒸気船より長い目撃談

コンゴの砂州に横たわる巨大ワニ、マハンバの挿絵 海外のUMA

川岸に横たわっているのは、見慣れたワニとは桁違いの巨体。

コンゴの水辺で語られるマハンバは、全長約15メートルともいわれる巨大なワニのようなUMAです。

姿そのものより、「あの大きさは普通のワニではない」という驚きが、この話の中心にあります。

では、正体は何なのでしょうか。

調べた資料では未知の種類と確定できず、大きなワニの目撃と、その長さの見積もりを分けて考える必要があります。

その手掛かりになるのが、蒸気船を物差しにしたという古い遭遇記録です。

マハンバとは?コンゴで語られる規格外のワニ

水面から頭と背中を出すマハンバの挿絵

普通のワニとは違うと説明された動物

ロイ・マッカルの1987年の著書『A Living Dinosaur?』には、マハンバを扱う章があります。

聞き取りでは約15メートルという大きさが語られ、現地の情報提供者は、普通のナイルワニを指す「nkoli」と区別したとされています。

もし同じ川にいるワニを知る人が、わざわざ違う名前で呼んでいたのなら。

名前を分けたくなるほど目立つ何かがあったのか、という疑問が生まれます。

ただ、大きな個体に特別な呼び名を付けた可能性と、別種を見分けていた可能性は、この情報だけでは選べません。

原著に載っている絵は、捕獲写真ではない

同書275ページの図58には、巨大なワニを思わせる姿が描かれています。

これは観察者の説明をもとにした絵で、撮影されたマハンバの写真ではありません。

どんな生き物が想像されていたかを知る資料としては興味深い一枚です。

一方、体の形が実物と一致するかを、その絵だけで検証することはできません。

マッカルの原著とマハンバの章を見る(閲覧範囲はGoogle Booksの提供状況によります)

1889年の旅行記に残る遭遇|ワニは蒸気船より長かった?

砂州の巨大ワニと遠くの蒸気船を描いた挿絵

アヒルを狙っていた視線の先にいた巨大なワニ

J・R・ワーナーの『A Visit to Stanley’s Rear Guard』(1889年)には、砂州で出合った巨大ワニの話が載っています。

184〜185ページを読むと、始まりは怪物探しではなく、アヒルの狩猟でした。

アヒルはおよそ50ヤード先。

その鳥と自分の間に、非常に大きなワニが横たわっていたと記しています。

狙っていた鳥よりも、手前にいる爬虫類の大きさが気になったわけです。

著者は近くの川にいた蒸気船A.I.A.と、そのワニを見比べました。

船の長さは42フィート、約12.8メートル。

ワニのほうが長いと感じ、50フィート、約15.2メートルと見積もっています。

比較対象の船は、約274メートル離れていた

見落とせないのは、蒸気船が300ヤードほど離れていたという記述です。

メートルに直すと約274メートルで、ワニと船を横に並べて測った話ではありません。

距離の違う物体を見比べて、どこまで正確に長さを判断できたのか。

「50フィートのワニを測定した」という紹介では、原文のいちばん大事な条件が消えてしまいます。

その後、著者がアヒルへ発砲すると、ワニは尾で砂を払うようにして水へ逃げたといいます。

巨体が動き、川に消える。

捕獲に至らないまま終わるからこそ、その大きさが読者の想像に残る場面です。

これは「マハンバを捕まえた記録」ではない

ワーナーのこの記述に、マハンバという名前は出てきません。

後年、マッカルが巨大ワニの議論に取り上げた記録であり、最初から同じ名のUMAとして観察されたわけではないのです。

1889年は本の出版年で、この遭遇そのものの日付とは分けて扱う必要があります。

今回読んだ箇所には、捕獲して測定した標本や、体長を確認できる現場写真は示されていません。

1889年の旅行記を読む(184〜185ページ)

マハンバの正体を考える|大きなワニと未知の種類の境目

川岸に上がったマハンバの頭と装甲状の背中を描いた挿絵

実測された巨大ワニと比べるとどうなる?

比較に使える実在の個体として、フィリピンで捕獲されたイリエワニのロロンがいます。

ギネス世界記録が示す体長は6.17メートルで、2011年9月3日の捕獲後に確認された個体です。

この項目の記録区分は「飼育されたワニとして史上最大」で、野生も含むあらゆるワニの限界値ではありません。

また、ロロンはイリエワニなので、コンゴの目撃個体と同じ種類だと示す比較でもありません。

それでも、実際に個体を確保した数字と、離れた船を見て推定した数字の違いははっきりします。

マハンバの約15メートル説は、6.17メートルという実測値と同じ確かさの数字ではないのです。

既知のワニが大きく見えた可能性はある

ワーナーが書いた、砂州に横たわり、尾を動かして水へ逃げるという様子は、ワニとして理解できる行動です。

記事としての考察では、まず実在するワニを見て、長さを大きく見積もった可能性が候補になります。

ただし、そのときの個体が残っていない以上、種類や本当の体長まで決めることはできません。

「ワニらしい動物を見た」という部分と、「15メートルあった」という部分は、別々に評価したいところです。

結論:巨大ワニの話は残るが、未知の種と確定していない

マハンバの正体は、今回確認した資料では特定できません。

巨大なワニをめぐる聞き取りと古い遭遇記録はありますが、約15メートルの未知の種類を裏付ける標本や測定記録には届いていません。

蒸気船より長く見えたあのワニは、実際にはどのくらいあったのか。

マハンバの面白さは、現実にいるワニの延長に、とてつもなく大きな影が重なるところにあります。

その影の大きさを知るには、数字だけでなく、誰がどこから見たのかまでたどることが欠かせません。

参考資料・原掲載

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